PMIの進め方③ PMIの推進体制

PMIの進め方

M&Aが成立してPMIを始める段階になったら、PMIの推進体制を整えることが重要です。

推進体制の構築には譲受側と譲渡側の協力が必要になります。

第3回目の今回は、中小PMIの推進体制の概要と必要な役割を解説します。

PMIの推進に必要な体制整備のポイントも紹介するので、M&Aを成功させるための組織を作り上げましょう。

中小PMIの推進体制とは

PMIの推進体制とは、M&Aが成立した後にPMIを進めていくための組織構成のことです。

両社の統合を進めていくための計画や企画を立てて進めていく組織で、譲受側と譲渡側の経営者や役員を中心として構成されます。

中小PMIの場合にも基本的には違いはありませんが、譲受側と譲渡側の両方が中小企業で十分な人数の担当者を確保するのが難しい場合があります。

中小PMIでは経営者などの限られた人だけが複数の役割を兼任しなければならないこともあるため、ケースバイケースでの推進体制の検討が必要です。

中小PMIでは推進体制を合理的に確立するのがM&Aの成功につながるため、両社で協議して体制を確立することが大切です。

PMI推進の体制整備における役割

PMIの推進体制は3つの役割を枠組みとして適材を配分するのが合理的です。

ここでは3つの役割の概要を説明します。

重要意思決定

PMIの推進における重要意思決定を担当する人は不可欠です。

主に譲受側の経営者や役員から構成し、PMIの方向性や具体的な施策を最終決定するのが役割となります。

譲渡側の経営者や役員も含めたメンバーにすることで、両社の意思疎通が進んでスムーズなPMIができるようになります。

譲受側と譲渡側では意見に違いがあることを考慮して、重要意思決定のメンバーは譲渡側も尊重する体制を整えるのが適切です。

企画・推進

企画・推進はPMIの計画や方針についての意思決定を受けて、具体的にいつどのような実務を通して実現するかを検討して実行するのが役割です。

企画・推進は譲受側を中心として、譲渡側の役職員メンバーとして構成するのが一般的になっています。

譲渡側も技術やビジネスの統合を進める上で必要な場合や、譲受側の人材が不足している場合にはメンバーに加わります。

後述の実務作業に指示を出したり、進捗管理をしたりするのも重要な役割です。

実務作業

実務作業の担当者の役割はPMIで必要になる実務をすることです。

企画・推進が策定したプランに基づいて、譲受側と譲渡側の両方の役職員がそれぞれのやるべき作業を担当します。

PMIの計画内容によって実務内容は異なり、担当する必要がある人も違います。

M&Aでは、両社の持っていた機能や強みを統合させるのが重要ですので、機能別に分科会を設置することで議論しながら、効率的にPMIの計画を進める体制の整備も必要になります。

PMIの推進体制整備で重要なポイント

PMIの推進体制を整備するときには、譲受側と譲渡側の両方の状況を加味し、M&Aの目的を達成できるようにすることが重要です。

M&Aを経験してきた企業でも、新たにM&Aをするとうまく体制整備ができなくて苦労することもあります。

ここではPMIの体制整備で重要なポイントを解説します。

規模に応じた体制整備を検討する

適切なPMIの推進体制は、企業規模によって違いがあるので注意しましょう。

中小PMIでは特に規模の意識が必要です。

譲受側の売上高が3億円以下、譲渡側の売上高が1億円以下といった小規模な企業同士のM&AではPMIの体制整備が困難な場合が多々あります。

そもそも役員は一人もいないということもあるでしょう。基本的には両社の経営者が重要意思決定だけでなく、企画・推進の役割も果たす必要があります。

実務作業の担当者を十分に確保して、M&A後の経営を持続できる基盤を整えるのが大切です。

一方、中規模以上のM&Aの場合には重要意思決定は経営者、企画・推進は役員、実務作業は職員といった合理的な体制を整えやすいでしょう。

企業成長を見越した組織作りも想定した体制整備をすると、M&Aによる企業利益を上げやすくなります。

支援機関を活用する

PMIでは支援機関を利用することで成功しやすくなります。

支援機関とは中小企業診断士や経営コンサルタント、弁護士や税理士などの経営や業務に関する専門機関です。

ITの課題があるときにはITベンダーなども支援機関になります。

支援機関は専門的な見地に基づく助言をしています。

PMIの課題ごとに専門の支援機関に相談することで、的確な指針を立ててPMIを進めることが可能です。

まとめ

PMIは適切な推進体制を整えて進めることが大切です。

重要意思決定をする両社の経営者の下に、決定を受けて企画・推進をする役職員がいると実務作業が滞りなく進みます。

ただ、中小PMIでは企業規模が小さいと企画・推進の担当者を確保できないこともあります。

それぞれの状況に合わせて最善な推進体制を整え、機能ごとに的確なPMIを進められるように支援機関への相談も検討するのがおすすめです。

M&Aの目的に直結するPMIを推進できる体制を整えて成功を目指しましょう。

この記事を書いた人
中野広一

キャブコンサルティング 代表。中小企業診断士。2021年に9年間経営してきた企業を売却。自分自身が売却後の引継ぎに苦労した経験を踏まえ、同じ様な悩みを持つ経営者に寄り添いたいという想いからPMIサポート事業を展開。

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