M&AのPMIにおける人事制度の統一の必要性と方法を解説

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M&Aを成功させるためには、PMIの段階で人事制度の統一を図ることが重要です。

では、人事制度を譲受側と譲渡側の間ですり合わせて整えることはなぜ必要なのでしょうか。

この記事では、PMIで人事制度の統一をする必要性と具体的な方法を紹介します。

PMIで人事制度を統一する必要性

M&Aにおいて人事制度を統一することが必要なのは、組織間の違いを埋める必要があるからです。

PMIにおいて譲受側と譲渡側の人事制度を統合することで、グループとしての運営ができるようになります。

ここでは人事制度を統一する必要性をもう少し掘り下げて解説します。

人事評価制度の違いによる不満が生じるリスクがある

M&Aによってグループ会社になったときに、人事評価制度に違いがあると従業員から不満が生じるリスクがあります。

同じグループなのに評価基準が異なって低い評価を受けているとすれば、不満になるのは明らかでしょう。

人事評価制度の違いが原因でモチベーションを失い、退職してしまう人もいます。

貴重な人材にモチベーションを上げて働いてもらうためには、人事制度を理想的な形で統一することが不可欠です。

人事制度運用の効率化ができる

M&A後の人事制度の運用をする上では、人事制度を統一化すると業務効率を上げてコスト削減ができます。

人事制度がグループ内で統一されていれば同じシステムで人事評価が可能だからです。

また、人材配置なども同じシステム上で管理することができます。

人事システムを導入して使用する際には、シナジー効果によってシステム利用料を下げられるでしょう。

人事制度の統一化はグループ間での人材の異動をするシステムも作り上げるなど、さまざまな可能性を切り開ける点でも重要な取り組みです。

M&AのPMIにおける人事制度の統合方法

PMIで人事制度を統合する方法は3つあります。

  • 譲受側の人事制度に統一する
  • 譲受側と譲渡側の人事制度を融合する
  • 新しい人事制度を策定する

一般的には譲受側の人事制度を優先して統合が進められています。

譲受側の人事制度に統一すると、譲受側の従業員に不満が生じることはありません。

しかし、譲渡側の従業員が不満になって退職するリスクがあります。

中道の方法として両社の人事制度を融合させるアプローチがよく用いられています。

ただ、譲渡側では上司による評価、譲受側では360度評価といった形で人事制度の仕組みが異なっていると融合させることは困難です。

M&Aを機会にして新しい人事制度を策定し、今後の成長につなげるのは賢い方法です。

両社の実態に合うだけでなく、新しい組織として成長するための人事制度をPMIの段階で策定できればM&Aの効果を引き上げられます。

PMIで人事制度の統合を成功させるポイント

M&Aで人事制度を統合するときに、PMIで取り組むべきポイントがあります。

成功につながる取り組みのポイントを紹介します。

段階的に人事制度改革を進める

M&Aの段階ですぐに人事制度を改定するのは得策ではありません。

PMIのプロセスの中で人事制度改革を段階的に進めていくのが成功のポイントです。

M&Aによって組織に大きな変革が起きているときに、給与規程や就業規則が変わったら動揺する従業員が多いでしょう。

大きな改定があると、今後もまた改定があるかもしれないという不安が募りがちです。

小規模な改革から始めて、従業員に受け入れられる人事制度に整えていくことが大切です。

プレPMIの段階で大枠を策定する

M&Aをしてから人事制度の統合方法を検討するのでは遅いと考えましょう。

プレPMIの時点で、M&A後の人事制度について大枠を決めて両社で合意することが重要です。

大枠が決まっていればPMIの段階で速やかに計画を立てられます。

人事制度の不一致による不満が生じないようにするためにも、M&Aの時点で人事制度の大枠を従業員に説明できるようにしておきましょう。

両社の良い点を生かす

人事制度の統合を成功させるには両社の良いところを組み合わせつつ、新しいアイデアを取り入れることが大切です。

PMIでは譲受側と譲渡側の従業員の両方が納得の人事制度にしつつ、M&A後の事業を成功させるためのリソースを生み出すことが必要です。

両社の人事制度を比較して良い点を合わせることで、最初に受け入れられやすい人事制度ができます。

その後、ポストPMIで新しいアイデアを少しずつ盛り込んで改善していくと、より良い人事制度を運用できるようになります。

まとめ

人事制度は、従業員のモチベーションに直結する重要な制度です。

M&Aでは譲受側と譲渡側の従業員が共に納得できる人事制度を整える必要があります。

PMIで段階的に人事制度の改革を進めていき、従業員に受け入れてもらえるようにすることが大切です。

M&A後の事業に必要な人材を考え、計画的に新しい組織としてより成果を出せるようにするための人事制度を整えていきましょう。

この記事を書いた人

中小企業診断士。慶應義塾大学環境情報学部卒。「DXと地域貢献」を理念とし、中野区・新宿区を中心とした中小企業経営相談や経営セミナーを実施。近年PMIの重要性を肌で感じ本事業に参画。

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