システム統合のための「チェックリスト」があると便利だと考えている方も多いでしょう。
システム統合に必要な最低限の確認事項がリスト化されていると安心です。
この記事では、金融庁検査局が2002年12月26日に出したチェックリストも紹介しながら、システム統合のチェックリストについて説明します。
金融庁のシステム統合のチェックリストとは
金融庁検査局では、2002年12月26日に「システム統合リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト」の通達を出しました。
2002年4月に、みずほ銀行のシステム統合の不具合による金融トラブルが起こりました。
同じようなトラブルが二度と発生しないように、金融庁がシステム統合リスクを減らすためのチェックリストを作成して公開したものです。
このチェックリストは、金融検査官が金融機関等を検査するときに確認する事項をまとめたものです。
M&Aでシステム統合の方針をまとめるときにも参考にできる内容になっていますが、留意点もあります。
金融庁のシステム統合チェックリストは、リスク管理のための確認検査を目的として作成されています。M&Aにおけるシステム統合は、シナジー効果を生み出すことも重視しなければなりません。
リスク管理の目的では参考になるチェックリストですが、M&Aにおけるシステム統合のチェックリストとしては、網羅していない範囲もあることを留意しましょう。
M&Aにおけるシステム統合のチェックリスト
M&Aのシステム統合は、シナジー効果を生むという目的を達成しながら、リスク回避もできるチェックが必要です。
ここではM&Aのシステム統合のチェック項目をいくつか例示しますので、参考にしてください。
システム統合の目的が明確になっているか
システム統合によって実現したい目的を明確にしてから、システム統合に取り組む必要があります。
システム統合は、費用や時間といったコストや、従業員の労力がかかります。
目的が明確になっていないと、不満につながってしまうことがあります。
目的を明確にし、何のためにやっているか、ということを全員で共有することが重要です。
システム統合の方針が明確になっていることをチェックしましょう。
M&A前にシステムの情報を調査したか
M&A前のIT-DD(デューデリジェンス)やプレPMIの段階で、システム情報を調査する必要があります。システム情報を調査、把握した上で、システム統合の方針や方法を検討、具体化します。
システム情報の調査の実施をチェックしましょう。
システム統合の予算とスケジュールの計画を立てたか
これは漏らすことはないと思いますが、予算とスケジュールの計画策定の実施もチェックしましょう。
システム統合の要件を定義したか
システム統合の要件定義には、業務要件の定義とシステム要件の定義があります。
システム統合は生産性向上を実現する手段の1つです。
そのためには、まず業務を最適化するための業務要件の定義を行います。
業務要件定義をしてから、業務要件を満たすシステム要件を定義します。
システム統合の要件定義の実施をチェックしましょう。
システム統合におけるリスク確認をしたか
システム統合においてどのようなリスクがあるか、という観点でリスクの洗い出しを行う必要があります。
システム統合後が業務や従業員に与える影響やシステム障害が業務に与える影響、セキュリティなどの
リスクの洗い出しの実施をチェックしましょう。
まとめ
金融庁検査局のまとめたシステム統合のチェックリストは、リスク管理の確認検査用です。
参考になる部分もありますが、M&Aのシステム統合ではシナジー効果を生むためのチェックも必要です。
ここではM&Aのシステム統合のチェックリストをいくつか例示しました。
押さえるべきポイントをチェックして、システム統合を成功させてください。
コメント
Very interesting details you have remarked, thank you for posting.Blog monry