M&Aのシステム統合の7つの課題とは?有効な解決策も紹介!

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M&Aにおけるシステム統合では、さまざまな課題に直面します。

この記事ではM&Aにおけるシステム統合の7つの課題と解決策を紹介します。

M&Aにおけるシステム統合の7つの課題

M&Aにおけるシステム統合では、主に7つの課題があげられます。

まずは各課題の概要を確認しましょう。

システムの統合方法の選択

M&Aでは、当然、譲渡側と譲受側のシステムは異なります。

統合方法の選択は、大きな課題といえます。

一般的にシステム統合は、以下の統合方法から選択します。

  • 一方のシステムへの移行
  • 新規システムの導入
  • 両社のシステムの統合

このうち、両社のシステムの統合は、譲渡側と譲受側のシステムの親和性が高い場合を除いて、お勧めしません。


理由は、統合後の業務の生産性を高める最適な構成とするのが難しいことと、既存システムを連携させるための開発費用は、新規システムの導入よりもコストがかかるケースがあるからです。

既存データの移行、統合

システム統合の際には、両社が保有しているデータを移行、統合します。既存データの移行、統合も大きな課題です。

使用していたシステムが異なれば、データの形式も異なる可能性が大きいです。
その場合、データ形式を移行先のシステムに合わせて変更する必要があります。
データ形式の変更は地味な作業ですが、データの量が多ければ、かなりの労力と時間がかかります。

セキュリティポリシーの策定

譲渡側と譲受側では、セキュリティポリシーは異なると考える方が自然でしょう。
その場合、M&A後のセキュリティポリシーを策定することも課題です。

単に譲受側のセキュリティポリシーに合わせるという考え方もありますが、セキュリティの脆弱性を狙うサイバー攻撃は、年々高度化しています。
システム統合の機会に脆弱性対策を含むセキュリティポリシーを見直すことも必要でしょう。

生産性の向上

M&Aの目的は、事業を継続、発展させることですが、そのためには、生産性を向上させ、シナジーを生まなくてはなりません。
生産性を向上させる手段の1つが、システム統合です。

逆にシステム統合をしたことで生産性が低下しては、シナジーを生みづらくなり、M&Aの効果を最大化することもできなくなります。

両社の業務フローを把握した上で、業務効率が向上するシステム統合を行うことが課題です。

コストの最適化

コストの最適化もシステム統合の課題です。
両社のシステムを統合するわけですから、システムの設備費用や保守費用、運用費用を最適化する必要があります。
費用対効果を考慮し、システムの機能要件や非機能要件を検討しましょう。

ただし、コスト削減ばかりに重きを置いてしまい、生産性を低下させるようなシステム統合をしてしまっては、本末転倒です。この点は注意してください。

システム統合のスケジュール策定

システム統合のスケジュールを早期に策定することも課題です。

M&A後のPMIからシステム統合の検討を始めては、統合後のかなりの期間を異なる業務フローで、
異なるシステムを使い業務を行うことになりかねません。

M&A締結前のプレPMIの段階から、IT DD(デューデリジェンス)やシステム統合の目的の設定やシステム統合の方法の決定などは行っておいた方が良いでしょう。

従業員への説明

システム統合を行うと、それまでの業務フローが変わります。
そうすると一時的に従業員の負荷が増大します。
従業員はM&Aに対し不安を抱いていますので、その上、業務の負荷が増大すると不満を抱えることになり、場合によっては離職してしまうことも考えられます。

そうならないように、従業員の納得感を得ることは大きな課題です。
従業員に対し、システム統合の目的や、最終的には業務が効率化し業務がやりやすくなることを十分に説明する必要があります。

また、従業員に早期に効果を実感してもらうことは効果がありますので、そのような施策(クイックヒット)を計画に織り込みましょう。

M&Aのシステム統合の課題解決策

M&Aのシステム統合の課題は両社が協力することで解決可能です。

ここでは、システム統合の課題解決策として特に重要な3つのポイントを紹介します。

システム統合の検討に早期に着手する

課題にも書きましたが、M&A後のPMIからシステム統合の検討を始めては、
統合後のかなりの期間を異なる業務フローで、異なるシステムを使い業務を行うことになりかねません。

そうすると、従業員が統合の効果を実感できない期間が長期化します。
そのようなことを避けるために、早期に検討に着手することが大事です。

システム統合の目的を明確にする

システム統合の過程では、様々な課題が発生します。「何のためにシステム統合を行うのか」を明確にしておかないと、課題に直面した際、誤った解決策を選択してしまいがちです。

課題に直面した際、立ち返るべきシステム統合の目的を明確にしておきましょう。

従業員の納得感を得る

課題にも書きましたが、システム統合を行うと、それまでの業務フローが変わるので、
一時的に従業員の負荷が増大します。
このことが従業員の不満を招き、場合によっては離職につながってしまうこともあります。

従業員にシステム統合の目的や、システム統合が完了し新しい業務フローが定着すればメリットを享受できることを早い段階から説明することが大事です。

さらにシステム統合後は、従業員にヒアリングを行い、問題が発生していれば、それを改善できるよう、PDCAを回すことも大事でしょう。

まとめ

M&Aにおけるシステム統合では、様々な課題が発生します。

事前にどのようなことが課題になるかを把握しておき、システム統合の検討に早期に着手し、
システム統合の目的を明確にし、従業員の納得感を得られるよう、業務を行う部門と連携しながら、システム統合を進めましょう。

この記事を書いた人

合同会社TAMパートナーズ代表社員。中小企業診断士。ITコーディネーター。大手IT企業において、IT導入のPMや事業戦略策定や新規事業開発などを30年に渡って経験。ITの知見と、組織統合におけるマネージメント経験を活かし、中小企業のPMIサポート事業を展開。

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